栄養サポートチーム(NST)について
NSTとは
Nutrition Support Teamの頭文字をとった略称で、「栄養サポートチーム」のことです。
栄養に詳しい医師を中心に医師、歯科医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、リハビリテーションスタッフなど多職種のスタッフが連携を持ち、それぞれの知識や技術を出し合い、最良の方法で栄養支援をするチームです。
NSTの活動
患者さんの栄養状態の改善を図り、本来の治療効果を高めることを目的として、次のような活動を行っています。
- 適切な栄養管理方法の選択
- 適切かつ質の高い栄養管理の提供
- 栄養障害の早期発見と栄養療法の早期開始
- 栄養療法による合併症の予防
- 疾患罹病率・死亡率の減少
- 6) 病院スタッフのレベルアップ
- 7) 医療安全管理の確立とリスクの回避
- 8) 栄養素材・資材の適正使用による経費削減
- 9) 在院日数の短縮と入院費の節減
- 10) 在宅治療例の再入院や重症化の抑制
当院には、歯科口腔外科があり、口腔内管理、義歯の調整など言語聴覚士と連携を持ち摂食機能の管理も行っています。また、より良い栄養管理を行うため、褥瘡対策チーム・感染対策チーム・医療安全対策委員会との連携を図りながら、活動を行っています。
褥瘡対策チームについて
褥瘡とは
褥瘡は、一般的には床ずれと呼ばれるものです。長い間寝たきりの人や車いす座位の時間が長い人の場合、骨と床や車いすの座面との間に筋肉や皮下組織が挟まれた結果血流障害を生じ、潰瘍となったものを褥瘡(じょくそう)といいます。
少し前まで褥瘡には、天気の良い日に創の部分をお日様にあてて乾燥させたりするなどの、現在とは正反対の治療が行われていました。現在褥瘡の治療は驚異的に進歩し、外用剤の選択のみだけでなく、マットレスや栄養状態が褥瘡発生や治癒の結果を左右するということが広く一般的な常識となってきました。
学会でも、栄養,除圧,スキンケア,外用剤,特殊治療などいろいろな情報交換がなされています。また、褥瘡は予防が可能な疾患である事も明らかとなり、当院でも予防から治療までを通して多職種で連携を取って介入しています。
褥瘡発生を少しでも減らすために、褥瘡のある患者様に、発症より適切な褥瘡ケア・治療を提供し早期治癒を目指すため、多職種が専門性を用いて褥瘡ケアに取り組みます。また、退院後も継続したケアが提供されるように取り組みます。
褥瘡対策チームの活動
- 褥瘡回診
- 褥瘡のある患者様の回診を構成メンバーで行っています。褥瘡処置・ポジショニング・栄養状態等をそれぞれの職種が専門性を活かし検討しています。
- 委員会
- 毎月の活動を振り返り、多職種で情報交換しながら、今後の褥瘡治療・ケアを検討しています。褥瘡回診患者様の評価を、多職種で専門性を発揮し情報交換をしながら褥瘡治癒に向けて一丸となって取り組んでいます。
- 研修会
- 褥瘡に関する知識や技術の向上に向けて講習会及び勉強会を行っています。
教育研修について
臨床実習中のセクション
下記セクションにおいて研修生を受け入れております。みなさまのご理解とご協力をお願い致します。
下記リンクをクリックすると、詳細ページが開きます。
- 医局:臨床研修医の同席診療のお知らせ
- 薬剤科:薬学教育6年制の薬学生が実務研修を行っています
- リハビリテーション科:養成校の学生が臨床実習を行っています
- 看護部:看護学生が臨床実習を行っています
院内感染対策チーム
感染対策チームとは
Infection Control Team (インフェクションコントロールチーム)の略語で「ICT」と呼ばれており、病院内の感染対策を担うチームです。院内では、患者さんやご家族、病院職員など、病院内すべての人を感染から守るため、日々活動しています。さまざまな職種が専門的な知識・技術・経験を用いて、問題となる感染症の発生状況を把握し、根拠に基づいた感染防止対策を実践できるよう組織横断的に活動を行っています。
構成メンバー
医師(ICD) | 1名 | 理学療法士 | 1名 |
看護師 | 4名 | 作業療法士 | 1名 |
薬剤師 | 1名 | 事務 | 1名 |
臨床検査技師 | 1名 |
院内感染対策の取り組み
①院内での感染症の発生状況の把握
院内における感染症の発生状況、各種サーベイランス、院内検出病原体、抗菌剤使用状況についての情報を共有・協議しています。
②院内ラウンド
ICTメンバーにて院内ラウンド(1回/週)を実施し、現場の感染管理状況の監視、指導を行っています。
③院内感染対策マニュアルの作成と改訂
感染症法やCDCガイドラインに基づく感染対策マニュアルの作成と改訂を行っています。
④感染対策教育および感染防止対策の実施
全職員を対象に、感染対策教育研修を開催しています。(2回/年)
鋭利器材(針刺し)で、万が一事故が発生した時の対応を策定しています。また、職員に対し新型コロナワクチンやインフルエンザワクチン、B型肝炎ワクチン接種を実施しています。
⑤ICT会議
ICTメンバーにて毎週木曜日会議を実施し、院内の感染状況や感染症に関する法令等についての情報を共有・協議しています。
⑥他施設との感染対策情報の情報共有と連携
国立国際医療研究センターと感染に関するネットワークを組織し、合同カンファレンスや研修会などを開催しています(4回/年)
医療安全部門
医療安全部門は、以下の3つから構成されています。
1. 医療安全管理委員会
- リスクマネージャー委員会や、医療安全管理者会議を統括し、医療事故防止について病院全体の中枢となる組織です。
- 重大な事故が起きた場合は、個人情報保護を厳守しながら、迅速に対応策の検討を行っていきます。
2. 医療安全管理者会議
- 構成メンバー
医師:1名 看護師:3名 薬剤師:1名 理学療法士:3名 放射線技師:1名 - インシデントアクシデントレポートの、重要度や緊急度に合わせて分析を行い、医療安全管理委員会へ提出します。リスクマネージャー委員会と連携し、対応策の周知徹底を行います。
- 医療安全教育
全職員を対象に、安全対策研修の企画・運営を行っています。(年2回) - 医療事故発生防止のための情報収集、啓蒙活動を行っています。
- 医療安全対策管理マニュアルの作成と改訂
医療安全管理に関するガイドラインに基づき医療安全対策管理マニュアルの作成、改訂を行います。 - 関東中央病院と医療安全地域連携カンファレンスを行っています。
3. リスクマネージャー委員会
- 各部署で発生したインシデントやアクシデントを集計し、月に1回対応策を検討します。
- 院内ラウンド(年4回)を実施し、現場の安全管理状況、指導を行っています。