リハビリテーション室とは
「回復期」「療養」「外来」「訪問」のリハビリテーションを行っています。回復期で入院されている患者さんに対しては、「退院前訪問」を積極的に行い、安心して在宅へ帰れるように調整を行なっているのも有隣病院の特徴の一つです。また、退院後の在宅生活を見越して、「屋外訓練」も随時行なっています。退院後のフォローとしては、「外来リハビリ」および「訪問リハビリ」も行っており、退院後のフォローアップにも積極的に取り組んでいます。
理学療法
①筋力の回復
弱った筋力を回復する必要があるため、道具やトレーニングマシンを使用し、全身の筋肉に負荷をかけて動かすことで筋力を増強します。
②関節可動域の回復
硬くなってしまった関節を柔らかくし、狭くなってしまった関節の可動域を広げる必要があります。このことでスムーズに行えなくなってしまった日常生活動作を取り戻すことに繋げます。
③自力歩行の回復
立ち上がり、歩く、そして座るという、一連の動作は日常生活にはなくてはならない基本的な動作ですので、立ち上がる、歩行する、座るといった訓練を繰り返し、日常生活に適応していくようにしていきます。
作業療法
①日常生活動作の回復
生活に欠かすことのできない動作、「食事する」「着替える」「トイレに行く」「入浴する」といった動作のリハビリを行います。
②日常生活に関わる関連動作の回復
「調理する」「掃除をする」「洗濯をする」といった家事の動作、「屋外を歩行する」「買い物する」「公共機関を利用する」といった「外出」のリハビリを行います。
③職業関連動作についての回復
社会復帰に向けた「作業能力」「耐久性」「集中力」向上のリハビリを行います。
④高次脳機能や精神機能の回復
「記憶障害」「失語症等」「注意障害」などの高次脳機能障害のリハビリを行います。また、生活意欲の向上や認知症の予防などのための精神的なサポートもします。
言語聴覚療法
①言語の回復
発音や発声のリハビリを行います。
②嚥下機能の回復
首や肩、胸郭、口腔器官の運動、嚥下を行いやすくするための体操、口腔周囲のマッサージや運動など、嚥下機能のリハビリをします。
③高次脳機能の回復
数字や記号を覚える、書き取りや計算などに集中する、メモを取ったり日記をつけることで記憶の低下を補う、アラームを使用して時間の管理を行うなど、脳機能が活性化のリハビリを行います。
当院におけるリハビリテーションの特徴
1.安全・安心なリハビリ環境
①広いリハビリ室
リハビリ室は2部屋あり370㎡と160㎡と合わせて530㎡あります。全国平均(2021年度実績)は481.3㎡となっており、都内にありながら非常に広いスペースでリハビリが行えます。
②広い病棟廊下で行うリハビリ
リハビリ室内でのリハビリを行うだけでなく病棟内においても日常生活にあわせたリハビリや歩行練習も行っています。歩行練習をしている際に車いすの方が並んでもゆったりした廊下です。
③広い敷地内で安全に行える歩行練習
当法人は、病院と2つの特別養護老人ホームがあります。このため法人内の敷地が広く屋外の歩行練習も敷地内で安全に進めていくことが出来ます。
④病院周囲でも安全に行える歩行練習
車の往来の少ない歩道を安全に歩行練習することが出来ます。
2.常勤のリハビリテーション科専門医がいます
リハビリテーション科専門医とは病気や外傷の結果生じる障害を医学的に診断治療し、機能回復と社会復帰を総合的に提供することを専門とする医師です。
リハビリテーション科専門医は全国平均0.73人となっていますが、当院は1名の常勤医が勤務しています。また、非常勤のリハビリテーション科専門医1名も週に1度の頻度で勤務しております。リハビリテーション科認定臨床医においても全国平均0.45人となっていますが、当院は1名の常勤医が勤務しております。
3.摂食・嚥下機能障害の検査および治療に積極的に取り組んでいます
飲み込みがうまくいかない方には嚥下内視鏡検査(VE)や嚥下造影検査(VF)を適宜実施しています。内視鏡やレントゲン透視装置を使用して、飲み込みの様子を確認します。この検査の結果により食事摂取困難やむせこみなどの改善に効果的な専門のリハビリテーションを実施しています。
施設・機器
施設基準
- 脳血管疾患等リハビリテーション(Ⅰ)
- 廃用症候群リハビリテーション(Ⅰ)
- 運動器リハビリテーション(Ⅰ)
- 呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)
様々な医療機器を使用したリハビリも行っています。
実績
学会発表
2020年度
2020 回復期リハビリテーション病棟協会研究大会 Web開催
回復期病棟におけるADL共有ツールについて | 作業療法士 | 上部 鉄平 |
妻に迷惑をかけたくない―オーダーメイド車いすを提案し在宅の可能性が広がった症例 | 作業療法士 | 林 一斗 |
整形疾患に対する摂食・嚥下障害へのアプローチ | 理学療法士 | 平田 愛美 |
2021年度
リハビリテーション・ケア合同研究大会 兵庫2021
「薬の時間です。」声入りアラームで服薬管理が自立し、在宅復帰した症例 | 作業療法士 | 林 一斗 |
第39回回復期リハビリテーション病棟協会研究大会IN東京
COVID-19 集団感染発生時における回復期リハビリテーション病棟で の感染対策とリハビリを両立するための取り組みについて | 理学療法士 | 大町 勇都 |
2022年度
リハビリテーション・ケア合同研究大会苫小牧2022
当院回復期リハビリテーション病棟作業療法部門における学会参加推進に向けた取り組み | 作業療法士 | 林 一斗 |
特製の自助具を使用し紙パンツの着衣が自立した症例 | 作業療法士 | 上別府 希 |
コロナ禍における当院の感染対策と訪問リハビリの有用性について | 理学療法士 | 酒井 喜弘 |
投稿
2021年度
リハビリナース2022年2号(メディカ出版)
悩んだ!困った!リハビリ患者さんのゴール設定&退院支援 ・妻に迷惑をかけたくない ―安全・安定・安心だけでなく、思いに寄り添い、納得して自宅退院した症例― | 作業療法士 | 林 一斗 |